カテゴリ:相続不動産お役立ちコラム / 投稿日付:2024/08/09 09:05
出典:国土交通省| 資料1:三大都市圏の主要区間の平均混雑率推移(2023)
はじめに
住まい探しの際に、家賃や周辺環境と並んで重要なのが「通勤」です。以前の記事では、通勤「時間」の重要性についてお伝えしましたが、今回はもう一つの重要な要素である「混雑度」について焦点を当ててみます。
毎日の通勤ラッシュ、特にぎゅうぎゅう詰めの満員電車は、多くの人にとって大きなストレスとなっています。実はこのストレス、単に「混んでいて不快」というだけでなく、私たちの心身に様々な悪影響を及ぼす可能性があるのです。
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混雑率の目安
国土交通省によると混雑率は下記のような状態を指すということです。
- 100%: 座席につくか、座席前の肩につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる。
- 150%: 肩が触れ合わない程度。ドア付近の人が多くなる。
- 180%: 肩が触れ合い、やや圧迫感がある。ドア付近の人は壁面となり、体の向きを変えるのが困難となる。
- 200%: 体が触れ合い、相当圧迫感がある。ドア付近の人は身動きがとれない。
※混雑率の目安については、有識者等の意見も踏まえ、時代に即した表現に見直しています。
混雑率の実態:名古屋圏はどうなのか?
国土交通省が発表した「都市鉄道の混雑率調査結果(令和5年度実績)」によると、三大都市圏における平均混雑率は、東京圏136%、大阪圏115%、名古屋圏123%と、いずれも前年度より増加しています。
名古屋圏は東京圏ほどではないものの、大阪圏よりも高い数値となっており、決して楽観視できる状況ではありません。特に、名古屋市営地下鉄東山線、名港・名城線や名鉄名古屋本線など、主要路線の混雑は深刻です。
混雑がもたらすストレスとその影響
満員電車での通勤は、周囲との距離が近く、身動きが取れないことから、強いストレスを感じやすい状況です。国土交通政策研究 第55号「交通の健康学的影響に関する研究Ⅰ」では、鉄道通勤における混雑度が高くなると、ストレスホルモンの分泌に影響を与え、潜在的なストレス対応力が低下することが示されています。
快適な通勤環境を目指して
名古屋市では、「名古屋交通計画2030」において、「最先端モビリティ都市の実現に向けて」を掲げ、公共交通機関の更なる充実や混雑緩和に向けた取り組みを進めています。快適な通勤環境は、そこに住む人々の生活の質向上に大きく貢献します。今後の都市計画において、混雑緩和に向けた対策が更に強化されることを期待したいところです。
参考資料
国土交通省:三大都市圏の平均混雑率が増加 ~都市鉄道の混雑率調査結果を公表(令和5年度実績)~ https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001758085.pdf
国土交通政策研究 第55号「交通の健康学的影響に関する研究Ⅰ」(2005年10月)https://www.mlit.go.jp/pri/houkoku/gaiyou/pdf/kkk55.pdf
まとめ:住まい選びにおける通勤ストレスへの配慮
住まい選びにおいて、通勤時間だけでなく、混雑度も重要な要素です。毎日の通勤がストレスフルな環境では、心身の健康を損なうリスクが高まります。住まい探しの際には、通勤ルートの混雑状況も考慮し、できるだけ快適に通勤できる環境を選ぶことが大切です。もしこのような物件をお探しの方はSTF PropTech(エスティエフ プロップテック)にぜひご相談ください。