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歩きたくなるまちで生まれる、イノベーションの種:名古屋市の挑戦
カテゴリ:不動産お役立ちコラム  / 更新日付:2024/10/29 11:13  / 投稿日付:2024/10/29 11:13

歩く人を中心とした街づくり「ウォーカブル」から、どのようにイノベーションが生まれるのか?疑問を持つ人物のイラスト。矢印の先にある「イノベーション」へと繋がる道筋を示し、そのメカニズムを紐解くヒントとなる記事内容を象徴しています。
Nagoyaまちなかウォーカブル戦略』の一部加工して作成: 名古屋市

 

近年、「ウォーカブル」という言葉を耳にする機会が増えました。なんとなく「徒歩」が多くなるから健康的で、二酸化炭素排出抑制につながるイメージはつきますが、それがイノベーションとどう繋がるのか、疑問に思う方もいるかもしれません。実は、名古屋市が推進するウォーカブルなまちづくりには、イノベーション創出を促すための綿密な戦略が隠されているのです。


ウォーカブルなまちづくり:なぜ必要?

そもそも、なぜウォーカブルなまちづくりが必要なのでしょうか?国土交通省は「『居心地が良く歩きたくなる』まちなかづくり」を推進しており[1] 、令和6年5月末時点で377団体が賛同、102市区町村が具体的な計画に落とし込んでいます。

これは、人々が「居場所」を見つけ、「新しい出会い」を経験し、「もっと先まで歩きたい」と思える空間が、まちの活力を生み出すという考えに基づいています。名古屋市もこの流れを汲み、『Nagoya まちなかウォーカブル戦略』を策定[2]。人中心の空間、つまりサードプレイス[3]あふれるNAGOYAを目指しているのです。

サード・プレイスとは、住む場所を第一、働く場所を第二とした場合に、それ以外の家庭と仕事の領域を超えて、人々が集って語り合う場などをいいます。


ウォーカブルなまちとイノベーション:鍵を握る4つの要素

名古屋市の資料では、ウォーカブルなまちづくりの効果として「イノベーション(新たな価値の創造)」を挙げていますが、その具体的なメカニズムは少し分かりづらいかもしれません。そこで、イノベーション創出におけるウォーカブルなまちの役割を、4つのキーワードで紐解いていきましょう。

1. 新結合:異分野のアイデアが交差する

経済学者シュンペーター[4]は、イノベーションを「新結合」と定義しました。既存の概念や技術を組み合わせ、新たな価値を生み出すということです。ウォーカブルなまちは、まさにこの「新結合」を促進する空間となります。多様な人々が行き交うことで、異なる分野の知識やアイデアが交差する機会が増え、イノベーションの種が生まれるのです。

2. 多様性:異なる視点が化学反応を起こす

イノベーションは、均質な集団からは生まれにくいものです。多様な背景を持つ人々が集まることで、様々な視点や発想が持ち込まれ、既存の枠にとらわれない新しいアイデアが生まれる可能性が高まります。ウォーカブルなまちは、多様な人々を惹きつけ、交流を促すことで、この多様性を育む場となるのです。[5]

3. 偶然性:予期せぬ出会いが発想を広げる

セレンディピティ」[6]という言葉をご存知でしょうか? これは、偶然の幸運な発見を意味します。イノベーションは、計画的に生み出されるものだけではありません。予期せぬ出会いから、新しい発想が生まれることもあります。ウォーカブルなまちは、人々を自然な形で結びつけ、偶然の出会いを演出することで、セレンディピティを誘発するのです。[7]

4. 居心地の良さ:リラックスした空間で創造性を発揮

創造的な発想は、リラックスした状態でこそ生まれやすいものです。居心地の良い空間は、人々の心を落ち着かせ、自由な発想を促します。ウォーカブルなまちは、緑やオープンスペースなどの要素を取り入れることで、人々に安らぎを与え、創造性を高める効果が期待できるのです。[8]


名古屋市の未来:ウォーカブルが拓くイノベーション都市

フロアの境界をなくすことで、階層の異なる人とも交流をしやすくする内装
フロアをスロープでつなげ、ガラス張りにしたSTATION Aiの内装 : ソフトバンクニュース

 

名古屋市は、ウォーカブルなまちづくりを通じて、イノベーション創出を加速させようとしています。それは、単に歩きやすい街をつくるだけでなく、人々の交流を促進し、創造性を刺激する、活気あふれる都市空間を創造する試みなのです。

2024年10月31日、名古屋・鶴舞に国内最大級のオープンイノベーション拠点「STATION Ai」が開業します。[9] 街を巡るように設計された館内は、スタートアップと入居企業の出会いを促し、「化学反応」を起こす仕掛けが施されています。まさに、ウォーカブルなまちづくりの理念を体現した空間と言えるでしょう。こうした取り組みが、名古屋に新たな風を吹き込み、未来を担うイノベーションを生み出す土壌を育んでいくのです。


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監修者情報

佐治 英樹(さじ ひでき)
佐治 英樹(さじ ひでき)
税理士(名古屋税理士会), 行政書士(愛知県行政書士会), 宅地建物取引士(愛知県知事), AFP(日本FP協会)
趣味は、筋トレとマラソン。忙しくても週5回以上走り、週4回ジムに通うのが健康の秘訣。

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